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小売業の品管
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kumamusiです。 某小売業で、品質管理をやってます。 コメント、リンク歓迎です。

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更に乳酸菌

乳酸菌は、好気でも嫌気でも関係なく発育するという言葉に騙されて、何年ムダにしたことか…・通常、混釈培養するか、寒天培地の表面に画線した場合は微好気~嫌気的に培養しないと、48時間程度では、通常肉眼で確認できるコロニーには育ってくれません。

一般生菌数で基準を超える商品の場合、生えてきたコロニーを同定し(同定できなくても、確認培地・簡易キットなどでなるべく性状を調べて)製造工程の中から同じ菌を検出し、改善に繋げるといったやり方をすることがあります。しかし、昔は標準寒天培地に生えてくるピンポイントコロニーが乳酸菌だとの認識はありながら、同定できる菌量まで増やすことができませんでしたし、工程からの検出も無理でした。まあ、元々機械屋で、乳酸菌に対する知識も技術もありませんでしたから、しょうがないか…・その後、ミニテックの嫌気性菌用コードブックにLactobacillusを見つけ、好気的に培養するのは難があるらしいと悟りました。

しばらくしてから、同業他社の検査室に、大学で乳酸菌を教えていた現役の先生が招かれ、なぜだかその先生に鍛えられ、乳酸菌が結構自由に生やせるようになりました。その先生が言うには「微生物による食品クレームの7割は乳酸菌が原因…・・」その時、教科書として使用したのが“「乳酸菌実験マニュアル 分離から同定まで」 内村泰 岡田早苗/著 朝倉書店”で、既に絶版…・・だったのが、つい最近復刊されているようです。乳酸菌の奥深さが良く判る…・・食品衛生にはここまで必要ないと思います。っていうか、普通の食品相手の検査室じゃ無理だわ…・

当方ではビフィズス菌を除く、いわゆる典型的な乳酸菌の試験は
○ 規格基準のある発酵乳などは、BCP加プレートカウント寒天。公定法に従って試験を行う。乳酸菌以外は含まれてない前提で、そのままカウント。この培地にはグルコースが含まれており、この培地に生える菌であれば、多少なりとも酸を産生しコロニー・コロニー周辺が黄変する事がある。よって不安な場合は、最低カタラーゼは見てやる事は必要か? ただし、グルコースの量は少ないので、乳酸菌以外に旺盛に繁殖する菌は、培地をアルカリ化しコロニー・コロニー周辺を強い紫色にする。培地表面に好気的に生えて来るのは通常乳酸菌ではない。また、極めて表面に近い培地内で生育する乳酸菌のコロニーは、毛根状に発育することがある。
○ 食品衛生で問題になる乳酸菌は、特に指定もないので、BCP加プレートカウント寒天ではなく、更に発育支持に優れた培地を使用する。ブイヨン・混釈培養の場合は好気的に培養。平板に塗抹・画線した場合は嫌気的に培養。培養温度は25~30℃程度。培地に生えてくるコロニーは、平板上のものだと慣れてくればなんとなく判るが、混釈した場合などは特徴がないので、人によっては培地に炭酸カルシウムや、BCPを添加し、酸の産生を観察している。妨害菌が多い時は、アジ化ナトリウム・シクロヘキシミドを10ppmに添加する。生えてきたらグラム染色、カタラーゼ。必要があればホモ・ヘテロを見てやる。更にBBLクリスタルや、アピを使用することもある。

当方で発酵乳以外に乳酸菌を試験するのは、クレーム品として上がってきた商品、一般生菌数が基準を超えてしまった商品の菌叢確認、そして保存中に乳酸菌で生菌数が基準を超える加熱食肉製品【通知“食品衛生法施行規則及び食品、添加物等の規格基準の一部改正について(平成五年三月一七日)(衛乳第五四号) ”食肉製品の製造及び加工における衛生管理のための微生物指導基準 参照】の調査改善で、この3つの試験がほとんどです。
クレーム品は菌数が十分なので、段階希釈しながら平板に塗抹。標準寒天培地の菌は、釣菌し、そのまま平板に画線。加熱食肉製品は、現場で拭き取りしたもの、工程毎に商品をサンプリングしたものを検体とし、通常これは微量汚染ですから、一旦ブイヨンで増菌し、白濁したものは検鏡・グラム染色、平板に画線。品質管理がしっかりしてる(ように見える??)製造メーカーさんとは、脱気包装した加熱食肉製品の中に1個でも乳酸菌がいれば、保存中に爆発的に増殖するとの認識で一致できるところは多い…・・
これらの平板は嫌気培養しますが、普段は春先にホームセンターで安売りされる使い捨てカイロを1年分買っておいて、これを嫌気ジャーに入れて培養。カイロが暖かくなるうちは、何度か使えます。嫌気ジャーも数に限りがあるので、足りなくなるとポリ袋と密閉クリップを使用します。多い時は、シャーレが100枚以上になるか…・・
48時間培養して、生えてきたコロニーはカタラーゼとグラム染色。平板に生えてきた乳酸菌は、大体見分けがつきますし、1種類の菌が主要菌種になっています。何種類も生えているとなれば、単に「腐ってる…・」一個一個拾って確認しますが、染色・検鏡に飽きてくると、図のように先を潰したエーゼでコロニーを取り、エタノールに漬けて脱脂しておいたスライドグラスに濃く塗りつけ、そのままエーゼをビーカーに入った過酸化水素に漬けてカタラーゼ。エーゼは何本か用意しています。


エーゼ


スライドグラスは自然乾燥後エタノール固定し、前染色。その後脱色液に漬けて、目視で青色が残っていればグラム陽性と判断しています。

と、まあ、以上が当方のやり方でありました。
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この記事に対するコメント

こんにちは。私も食品会社で品質管理や商品開発を担当しているkarinといいます。まだひよっこですが・・・
乳酸菌に関して検索していたら、ここへたどり着きました^^
私自身も大学で菌類の勉強をしていたわけではないので、とても詳しく書いてあって勉強になります!!!
1つご意見を聞きたいのですが、よろしいでしょうか?
いずし(麹での発酵食品)の乳酸菌をBCP加で培養して測定しようと思ったところ、
培地が全面紫色になりました。確かに乳酸菌は多く存在しているはずですが、
それ以上に繁殖しているものの仕業と思います。酵母菌のせいでしょうか?
ブログを拝見しているとkumamusiさんはとても菌の測定・同定に精通してみえるようなので、
差し支えなければこういった食品の乳酸菌を測定するのに
よい方法があればアドバイスいただけないかと思っております。
ぶしつけな質問ですいませんm(_ _)m
よろしくお願いします。
【2006/11/17 11:11】 URL | karin #-[ 編集]


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