小売業の品管
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kumamusiです。 某小売業で、品質管理をやってます。 コメント、リンク歓迎です。

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大腸菌群 擬陽性・偽陽性

乳等省令や、食品・添加物等の規格基準で大腸菌群の基準があるものは、試験法、検液の濃度・量は異なるものの、その基準は通常“陰性”です。こんな食品ばかりだったら試験検査も楽なんですが、そんなものばかりではない・・・・・
基準のない食品が多いので、そんなものをどうするかってのもあります。
とある大手量販では、加熱せず食べる食品は自主基準で“大腸菌群陰性”としていて、この基準を守れなければ、他の商品に差し替えられるとメーカーさんが泣いてました・・・・しかし、やればできるんだ・・当社でそんな基準で運用すると、取引先が激減してしまう・・・
試験検査で合否や改善の必要性の判断には、より合理的な管理基準が必要となってきます。そこで参考にさせてもらったのが自治体の指導基準です。
自治体によっては基準のない食品群に対して独自に指導基準を持っているところがあります。結構充実しているのが東京都で(小国並みの人口なので、充実してて当然か・・・・)ここの指導基準を結構参考にさせていただきました。また首都圏に近い当方では、メーカーさんに対し「東京都の指導基準」ということで、合意も得やすい・・・・その他、指導基準に関わらず、製造工程から考えて、出てくるはずの無いものから出てきた場合などは、即、注意喚起の対象になります。

で、実際の大腸菌群の試験法は、「食品、添加物等の規格基準」に従いますが・・・・
調整した検液をシャーレに1mlずつ採り、それに「43℃から45℃までの温度に保持させたデソキシコレート寒天培養基を~」・・・・って、できるわけねーじゃん。そこまで温度を下げると、間違いなく凝固してしまう・・・昔、培地にオゴノリ寒天より低温で凝固するテングサ寒天を使用している外国の手順をそのまま和訳したため、実際にはその通りに出来ない内容になってしまったと聞きましたが、昔はともかく、今はBAMでも48℃で保持するようになっています。
20±2時間培養し「暗赤色の集落を認めたものは推定試験陽性とし、」とありますが、Desoで生えてくる菌は、多少なりとも糖を分解するので、若干でも赤みは帯びるとの事。また、炭水化物の含まれた食品の試験であれば、それを利用できる菌だと、コロニーは赤くなります。大きさも発色もまちまちで、なかなか悩ましい。毎回、特定の食品のみを試験検査しているのならともかくDeso上の見た目で大腸菌群と判断は難しい。
「推定試験が陽性の場合は、当該集落の代表的なものをE・M・B・培養基に塗抹し・・・・」って、どれが「代表的」な物だい???で、拾うのは1個でいいの??と悩む・・・
以前、同業他社で、Desoで混釈するのと同じ量の検液をBGLBに入れて、これでガスが吹いたら大腸菌群陽性とし、Desoの赤色コロニーをそのまま大腸菌群数とするとしていたところがありました。まあ、これはこれで一つのやり方かもしれません。基準が「陰性であること」であれば、十分使えるかも・・・・
東京都の指導基準にあるように、グラムあたり何個以下というように定量が必要な場合、更に悩ましいようです。こんな時には諦めて、生えてきた物を全部拾う・・・・って、余裕のあるところは、これが最も確実な方法でしょうが、普通のところでは無理・・・
そんなわけで、当方では以前にも書いたように、BAM方式で大腸菌群としてカウントしたコロニーから1シャーレあたりランダムに10個拾いBGLBに植え、その陽性率で大腸菌群数を求めています。まあ、Deso上で独立したコロニーを拾うので、純培養に近い状態と考えられますし、静菌状態の菌がいても、BGLBには胆汁が入っているし・・・・しかし、ランダムに拾おうと思っても、ついつい大きいのをつついてしまうのが人情・・
ただし、新人さんは配属後、数ヶ月は(長い人で3ヶ月程度)Deso→EMB→LB・IMViC、それで判らない時は簡易キットと進めてもらい、原理と手順に習熟してもらうようにしています(3ヶ月を過ぎるようだと、別の職種に・・・・)ここまで習熟すると、EMB上の典型的コロニーが理解してもらえるようです。通常、最後まで苦しむのが、クエン酸塩培地の誤陽性です。


BGLBやLBを用いる牛乳や魚練、食肉製品などでも、検液を入れたものが泡を噴いたからといって、大腸菌群陽性とは限りません。やはり、食品成分が分解されていろんなガスを発生したり、場合によってはある菌が乳糖から蟻酸を産生し、別の菌がその蟻酸を分解し炭酸ガスを発生させるといったこともあるようです。しかし、そんな時はガスの発生に元気がありません。大体、偽陽性です。ダラム管に、どれくらいガスが溜まったか記録している検査室もありましたが・・・・
ともかく、これはおとなしくEMBに画線。「定型的大腸菌群集落または2以上の非定型的集落を釣菌」しBGLBに植え、ガスの発生を見ます。

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コメントへの御返事 またまた乳酸菌

karin様 始めまして。コメントありがとうございます。
ご質問の件、サクサクとまとめられると思ったら、結構長文になってしまった・・・・

通常、麹を使って発酵させるものにはBacillusが結構いるので、酵母ではなくこれかなと思い、1992年に出版された「食品保存便覧:クリエイティブジャパン」を見てみると、いずしを10℃以下で熟成させた場合は乳酸球菌、Bacillus、酵母が同じくらいの割合で検出され、10℃以上では酵母がいなくなり、乳酸球菌とBacillusだけになってしまうとの事。この場合の乳酸菌はLeuconostoc、Streptcoccus、Pediococcusなどで、Lactobacillusは見られなかったそうです。
酵母とBacillusが乳酸菌と同じ数だけいれば、BCPで仕込むと見事な紫色に発色することでしょう ^_^;

このような食品から乳酸菌を定量しなければならなくなったら・・・・酵母と乳酸菌で包材が膨張してしまった食品の検査と同じということで・・・・うまくいくかは保証の限りではありませんが・・・・・
培地はBCP加プレートカウント寒天はお勧めできません。この培地は、発酵乳用に飼いならされた乳酸菌の定量に使用するものですから、それ以外の乳酸菌に使用すると生えてこなかったり、生え方が弱かったりします。よって、すでに記載してある培地を使用し、嫌気培養を行います。嫌気状態では酵母は生えません。Bacillusは嫌気状態で生えてくるものがありますが、通常好気培養より発育は遅くなります。また、カウントするときのことを考えて、混釈ではなく、表面塗抹で行います。

脱気包装した商品でも酵母による膨張は珍しくなく、結構微量の酸素でも発育するようなので、好気性の菌を抑制するために嫌気で使用する培地は、下記のサイトを参考にさせてもらい保管しています。

動物衛生研究所九州支所
http://niah.naro.affrc.go.jp/sat/joseki/Anaerobes/Anaerobe.htm

培地は作成した後や冷蔵庫から出した後、ふ卵器の中で倒置し、蓋をずらせて乾燥させ使用します。
当方では混合ガスでジャーの気体の置換が出来ないので、BBLのGasPackを使用しています(ジャーが足りなくなると、三菱ガス化学のアネロパック、ただ生えればいい時には使い捨てカイロ)

検液を段階希釈しながら平板1枚に0.1mlずつ塗抹。シャーレは倒置せずガス発生袋とジャーに入れ、それを28℃(特に根拠はないが、当方ではなぜだか昔から28℃)48時間培養します。平板に生えてきたコロニーは慣れてくると見分けがつきますが、最低カタラーゼは見てやります(エーゼでつついて、過酸化水素に漬ける)

多分、これで乳酸菌の定量は出来ると思いますが、更に妨害菌が多い場合は、いずしと同じ程度に培地のpHを下げたり、培地にシクロヘキシミドとアジ化ナトリウムを添加してみるなどしてください。


ちなみに、自家調整の培地の組成

GYP白亜寒天培地
グルコース :10g
酵母エキス :10g
ペプトン :5g
肉エキス :2g
酢酸ナトリウム3水和物 :2g
salts solution *1 :5ml
Tween80 solution *2 :10ml
CaCO3 *3 :5g
寒天 :12g
精製水 :1000ml
pH6.8
121℃15分滅菌
*1 1ml中に、
硫酸マグネシウム7水和物 40mg
硫酸マンガン4水和物 2mg
硫酸鉄7水和物 2mg
塩化ナトリウム 2mg
が含まれる
*2 50mg/ml の水溶液
*3 混釈培養するのでなければ、特に必要なし


Ⓛ培地
ブレインハートインフュージョン寒天培地1000mlに、以下のものを添加。
酵母エキス 5g
麦芽エキス 5g
L-シスチン塩酸塩 0.2g
Tween80 0.1ml

シスチンは溶けにくいので、加温溶解し十分に溶かし、121℃15分滅菌する。


大腸菌群の規格基準

大腸菌群は、グラム陰性無芽胞桿菌で、乳糖を分解し酸とガスを産生し、この菌が検出されると、糞便などの汚染等不潔な扱いを受け、食中毒を発生させる可能性があるとの評価をされます。
同じ性状で、ヒトや動物などと関係ないものもあるので別の評価をしようとの声もありますが、なにしろ酸とガスを発生し、余計な代謝物でクレームを発生させてくれますし、ほとんどの場合、不適切な製造・保存が要因となっていますので、当面は今の評価基準でいいかなと考えています。
早くから、大腸菌群や一般生菌数の規格基準が決まっている食品がありますが、その時代に試験・検査をやっていた人の話を聞くと、どうもGHQ(General Headquarters)の影響らしい。
当時、「天皇の報復」と言われていた赤痢に苦しんでいた進駐軍は、一般生菌数を食中毒菌、大腸菌群を赤痢菌に見立て、それぞれの発症菌量を元に規格基準を決めさせたとの事。
このとき、大腸菌群の定量にバイオレットレッド胆汁寒天培地(Violet Red Bile Agar)ではなく、Desoを使うと決めたのは、当時新進気鋭の細菌学者で、直接聞いた人によると「Desoの方がいいかと思った・・・」

昔、大腸菌群の検査マニュアルで、たまに見かけた「Desoでの大腸菌群のコロニーは、直径1mm以上の深紅色」と記載されているのは、VRBAでの判定をそのまま日本語に訳したものらしく、実際VRBAを使用してみると、余計な菌が抑えられ、大腸菌群は大きく育ってくれます。Desoではピンポイントコロニーでも大腸菌群の事があるので気が抜けない・・・規格基準がなく、Desoで訳のわからない菌がうっちゃり生えてきて試験の妨げになる商品は、VRBEを使うこともあります。

ちなみに、異様に厳しい魚肉練り製品の大腸菌群の基準は、宮城県を中心として発生したさつま揚げでの大規模なサルモネラ中毒が由来との事です。

更に乳酸菌

乳酸菌は、好気でも嫌気でも関係なく発育するという言葉に騙されて、何年ムダにしたことか…・通常、混釈培養するか、寒天培地の表面に画線した場合は微好気~嫌気的に培養しないと、48時間程度では、通常肉眼で確認できるコロニーには育ってくれません。

一般生菌数で基準を超える商品の場合、生えてきたコロニーを同定し(同定できなくても、確認培地・簡易キットなどでなるべく性状を調べて)製造工程の中から同じ菌を検出し、改善に繋げるといったやり方をすることがあります。しかし、昔は標準寒天培地に生えてくるピンポイントコロニーが乳酸菌だとの認識はありながら、同定できる菌量まで増やすことができませんでしたし、工程からの検出も無理でした。まあ、元々機械屋で、乳酸菌に対する知識も技術もありませんでしたから、しょうがないか…・その後、ミニテックの嫌気性菌用コードブックにLactobacillusを見つけ、好気的に培養するのは難があるらしいと悟りました。

しばらくしてから、同業他社の検査室に、大学で乳酸菌を教えていた現役の先生が招かれ、なぜだかその先生に鍛えられ、乳酸菌が結構自由に生やせるようになりました。その先生が言うには「微生物による食品クレームの7割は乳酸菌が原因…・・」その時、教科書として使用したのが“「乳酸菌実験マニュアル 分離から同定まで」 内村泰 岡田早苗/著 朝倉書店”で、既に絶版…・・だったのが、つい最近復刊されているようです。乳酸菌の奥深さが良く判る…・・食品衛生にはここまで必要ないと思います。っていうか、普通の食品相手の検査室じゃ無理だわ…・

当方ではビフィズス菌を除く、いわゆる典型的な乳酸菌の試験は
○ 規格基準のある発酵乳などは、BCP加プレートカウント寒天。公定法に従って試験を行う。乳酸菌以外は含まれてない前提で、そのままカウント。この培地にはグルコースが含まれており、この培地に生える菌であれば、多少なりとも酸を産生しコロニー・コロニー周辺が黄変する事がある。よって不安な場合は、最低カタラーゼは見てやる事は必要か? ただし、グルコースの量は少ないので、乳酸菌以外に旺盛に繁殖する菌は、培地をアルカリ化しコロニー・コロニー周辺を強い紫色にする。培地表面に好気的に生えて来るのは通常乳酸菌ではない。また、極めて表面に近い培地内で生育する乳酸菌のコロニーは、毛根状に発育することがある。
○ 食品衛生で問題になる乳酸菌は、特に指定もないので、BCP加プレートカウント寒天ではなく、更に発育支持に優れた培地を使用する。ブイヨン・混釈培養の場合は好気的に培養。平板に塗抹・画線した場合は嫌気的に培養。培養温度は25~30℃程度。培地に生えてくるコロニーは、平板上のものだと慣れてくればなんとなく判るが、混釈した場合などは特徴がないので、人によっては培地に炭酸カルシウムや、BCPを添加し、酸の産生を観察している。妨害菌が多い時は、アジ化ナトリウム・シクロヘキシミドを10ppmに添加する。生えてきたらグラム染色、カタラーゼ。必要があればホモ・ヘテロを見てやる。更にBBLクリスタルや、アピを使用することもある。

当方で発酵乳以外に乳酸菌を試験するのは、クレーム品として上がってきた商品、一般生菌数が基準を超えてしまった商品の菌叢確認、そして保存中に乳酸菌で生菌数が基準を超える加熱食肉製品【通知“食品衛生法施行規則及び食品、添加物等の規格基準の一部改正について(平成五年三月一七日)(衛乳第五四号) ”食肉製品の製造及び加工における衛生管理のための微生物指導基準 参照】の調査改善で、この3つの試験がほとんどです。
クレーム品は菌数が十分なので、段階希釈しながら平板に塗抹。標準寒天培地の菌は、釣菌し、そのまま平板に画線。加熱食肉製品は、現場で拭き取りしたもの、工程毎に商品をサンプリングしたものを検体とし、通常これは微量汚染ですから、一旦ブイヨンで増菌し、白濁したものは検鏡・グラム染色、平板に画線。品質管理がしっかりしてる(ように見える??)製造メーカーさんとは、脱気包装した加熱食肉製品の中に1個でも乳酸菌がいれば、保存中に爆発的に増殖するとの認識で一致できるところは多い…・・
これらの平板は嫌気培養しますが、普段は春先にホームセンターで安売りされる使い捨てカイロを1年分買っておいて、これを嫌気ジャーに入れて培養。カイロが暖かくなるうちは、何度か使えます。嫌気ジャーも数に限りがあるので、足りなくなるとポリ袋と密閉クリップを使用します。多い時は、シャーレが100枚以上になるか…・・
48時間培養して、生えてきたコロニーはカタラーゼとグラム染色。平板に生えてきた乳酸菌は、大体見分けがつきますし、1種類の菌が主要菌種になっています。何種類も生えているとなれば、単に「腐ってる…・」一個一個拾って確認しますが、染色・検鏡に飽きてくると、図のように先を潰したエーゼでコロニーを取り、エタノールに漬けて脱脂しておいたスライドグラスに濃く塗りつけ、そのままエーゼをビーカーに入った過酸化水素に漬けてカタラーゼ。エーゼは何本か用意しています。


エーゼ


スライドグラスは自然乾燥後エタノール固定し、前染色。その後脱色液に漬けて、目視で青色が残っていればグラム陽性と判断しています。

と、まあ、以上が当方のやり方でありました。




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