小売業の品管
昔あったこと、いまやってること、その他どうでもいいようなことを・・・・・

カレンダー

07 | 2006/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -



プロフィール

kumamusiです。 某小売業で、品質管理をやってます。 コメント、リンク歓迎です。

kumamusi

Author:kumamusi



最近の記事



カテゴリー



リンク



最近のコメント



月別アーカイブ



FC2カウンター



最近のトラックバック



メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


酵素基質培地

食中毒菌用には、便利に使用させてもらっています。
しかし、大腸菌・大腸菌群に使用するとなると、小売の立場では悩ましい。
元々、陽性と判断する仕組みが公定法と異なるので、試験結果が異なるのは当たり前です。
規格基準で大腸菌群が決まっていれば、メーカーの検査と整合性を取るために公定法が基本となります。違う物差しで計るわけにも行かない…・魚練り業界のように、酵素基質培地が業界標準になりつつあれば、それはそれなんですが…・
以前、取引の業者会に出たとき、まず水産部門で複数のメーカーに取り囲まれ「とある量販の検査室では、当社の商品が大腸菌群陽性になって改善の報告書を書かされる。しかし、他の量販の検査や公定機関の検査では問題になったことがない。先方の品管に説明しても、“うちは最新の検査法でやってる”と聞いてもらえない。どうすればいいんですか?」…!確か、あそこは酵素基質法だ……・日配部門でも同様で「被害者の会を作りましょう!」などといきまいてるメーカーさんも…・・
自主検査で、公定法に基づかない試験法で商品を評価するときには、その試験の原理と評価法についてメーカー、特に話のわかる品管との合意を取っておくことは必要でしょう。でないと、小売の横暴と思われてしまうし、それなりの信頼関係がないと(いいかげんな事をやってると思われると)改善が困難になります。メーカーさんもしたたかで、信用してない小売に対しては、面従腹背です。

貝、イカ・タコなどはそれ自身に含まれる酵素で変な出かたをする様ですし、発酵乳でたちまち青色に発色したり、生のマグロで大腸菌群が大腸菌偽陽性になったり、ピンポイントコロニーで培地そのものが発色したりと、食品によってはおかしな状態になるので、実際に使用するときには検討が必要でしょう。当方のように、ありとあらゆる食品を試験するところは、大腸菌・大腸菌群用酵素基質培地の使用は現状難しいと思われます。しかし、試験するものが限られている製造工場では有効でしょう。
とはいえ、酵素基質培地を使用した大腸菌・大腸菌群の試験は便利なので、調査研究・クレーム品の検査に利用させていただいてます……

スポンサーサイト

ビブリオ

この季節、生鮮魚介類からビブリオがサクサクと・・・今年はなんだか検出率が高いような・・・・例年通り、V. fluvialisがよく出ています。
しかし、腸炎ビブリオを公定法どおりに試験する事は可能なんでしょうか?試験法の図解ではアルカリペプトン水のMPN3本法で、3つに区切った1枚の平板に画線するようになっています。が、ご存知のように夏場の水産品を塩分2~3%のアルカリペプトン水で増菌してやると V. alginolyticusあたりが情け容赦なく増えてきて、目的の菌の検出を妨害してくれます。このやり方で、独立したコロニーを得られる人は ネ申 様…・・当方の腕では無理だろうと、試験管1本当り2枚の平板を使用しています。時間をかけて画線できるなら、1枚でも十分…・かも知れない…・
しかし、それでもV. alginolyticusが邪魔です。酵素基質培地を使えばいいんですが、TCBSであればその他のビブリオV. cholerae,non-O1/O139 V. cholerae、V. vulnificus、V. fluvialis、V. mimicus、V. furnissii なんかもまとめて押さえられます。
必要な場合は公定法で行うとしても、当方の場合、生鮮魚介類の試験結果のほとんどは、自前のインストアの仕入れや衛生管理に使われているので、その部分は自主検査との割り切りで、独自の試験法・基準でおこなうことにしました。過去、テナントの寿司で“やってしまった”事があるので、生食用生鮮魚介を含む加工品、惣菜も試験の対象にしています。

その1 アルカリペプトン水の塩分を低くする
BAMでは、アルカリペプトン水の塩分濃度は1%ですが、新細菌培地学講座の培地の試験法とアルカリペプトン水の部分を参考に、0.85%まで低くしてみました。単純に生食水の塩分濃度です。腸炎ビブリオの発育は遅くなるでしょうが、それでもV. alginolyticusより速やかに増えてくれるはずですし、培地学講座に記載のアルカリペプトン水の塩分濃度は0.5%です。0.5%も塩分が無い刺身で食中毒が発生することを考えると、妙に納得。
手持ちの野生株で 100mlのアルカリペプトン水にV. alginolyticusを4乗個、目的の菌を3乗個添加し回収試験を行った結果が下の写真です。0%ペプトン水では生えないV. parahaemolyticus(これ以外に3株使用しましたが同様でした)、V. fluvialis、V. vulnificusも、いい感じで生えてきてくれました。うまいことV. alginolyticusが押さえられています。
vparahaemolyticus

左が3%NaCl加アルカリペプトン水から、右は0.85%から画線したもの。
ちょっと濃すぎました。緑の培地に緑のコロニーは写真写りが悪い…


vparahaemolyticus2

同じものをクロモアガーに画線したものです。


vfluvialis

これはV.fluvialis。同様に左3%右0.85%です。
左でfluvialisの独立したコロニーは2つほど。右はほぼfluvialisの純培養状態です。


vcholeraenon-O1

V.choleraenon-O1です。これもfluvialisと同様。


vvulnificus

これはV.vulnificus。ちょっと濃すぎた・・・昔は、ビブリオ ブルニフィカスと呼ばれていましたが、いまは人食いバクテリア、ビブリオ バルニフィカスなんて言われていますね・・・・

その2 定量ではなく定性
グラム当り100が基準ですから、それ以下で管理していれば行政の収去検査でも問題は発生しません。しかし、MPNには信頼限界があります。食品衛生検査指針のMPN表を見ると、グラム30未満で管理すればいいか…MPN表によって計算法が違い、値が異なってくるので、食品衛生検査指針に基づくことにしよう…・すると、ポアソン分布で…・およそ0.18グラムあたり陰性であればいい…・というわけで、0.2グラム当たり陰性であれば、自主基準合格としてしまいました。

その3 培養前のpH調整
生菌数や大腸菌群の試験が終わった後、ストマッカー袋に残った検液に10倍濃度のアルカリペプトン水を加え1mol NaOHでpH調整(比色法で9.2)し培養しています。酢の物、寿司、マリネなどは、アルカリペプトン水がたちまち酸性になってしまう・・・・pHは、あわせやすいように、ペプトン水に指示薬を加えています。これでビブリオ(腸炎ビブリオだけでなく)が陽性になれば警戒警報発令・・・・・テナント、インストアに注意喚起を行います。

0.2グラム試験するときも、9mlの希釈水に検液を加え、10倍濃度のペプトン水10分の1量を添加するといったやり方です。
しかし、相変わらずTCBS平板は大量に使用します。培地をケチって分離に失敗すると、さらに一日余計にかかるし、使用する平板も通常1枚では済まなくなるからです。よって夏場は大変…・・
さらに、"コレラ用の血清の期限がはるか昔に切れてるよ~~!!"なんて事態が数年に一度は…・・


大腸菌群

試験項目の基礎の基礎です。しかし、迷いなく行うにはなかなか悩ましい。定量する場合、公定法ではDesoですが、これを使っているのは日本と日本が指導しているタイだけとの事。
Deso→EMB→LB・グラム染色の順番で、Desoから幾つコロニーを拾うかにもよりますが、数が増えるとやりきれません(でも、昔はやっていた…・)
以前は、Desoから直接LBに植えていました。遥か昔、行政に関わる方から教わったもので、Desoからもう1つ確認試験を入れることで、試験の信頼性が高まるとのことからです。確かに、当時の公的機関・行政以外のメーカー・小売業の自主検査は、Desoで終わりにしているところがほとんどでした。菌数は、1シャーレに10コロニー以下なら全部、10以上だったら10個拾い陽性率を乗じて大腸菌群数としています。
その後、BAMに記載されている、寒天培地からBGLBに植え替える手順に変更しました。FDAの試験法であれば、取引先との合意も得やすいだろうし、LBは選択剤が入ってない分、一抹の不安が残る…平板から10個拾いBGLBに植え、ガスが陽性で、菌膜(pellicle)が観察できたらグラム陽性桿菌でないか確認せよとあります。
食品衛生法の中にも、食品、添加物の規格基準Cの1には、BGLBでの確認試験でいいとの記載があります。ただ、この場合も、培地が褐変した場合は、平板に植えて確認が必要との事。
今はGLPで無理でしょうが、行政機関を定年退職した人の話によると、DesoからBGLBという方法は、お役所関係でもやっているところがあったようです…・


温度計

特に温度が大事なのは大腸菌ですね。
○大腸菌群→乳糖を分解。酸とガスを発生するグラム陰性無芽胞桿菌。しかし、アルカリ化の強い菌は、BTB加乳糖ブイヨンで乳糖を速やかに分解し酸を産生した後、再び培地をアルカリ化し、培地を青変させるので、酸の発生は当てにならないことが良くあります。乳等省令では、ガスのみを発生すればいいことになっています。
○糞便性大腸菌群→大腸菌群のうち、44.5±0.2℃で増殖するもの。E.coli以外にKlebsiellaが良く出てきます。食品衛生関係でE.coli・大腸菌とはこれらの事です。
○大腸菌→糞便性大腸菌群のなかで、特定の生化学的性状を持つもの。E.coli。

糞便性大腸菌の試験は温度で菌を選択します。その為、押さえるところを押さえてないと、試験結果が信用できなくなります。
試験に使用する恒温槽の温度保証が±0.2℃以内かどうか。これ以上のものを使用している検査室をたまに見かけることがあります。
恒温槽の温度の測り方は、日本工業標準調査会のサイト

http://www.jisc.go.jp/

から、JIS B 7411 JIS Z 8705を参照してください。
通常、部分浸没で温度を測っているところが多いんですが、それ用の温度計でそれなりの測り方をしないと精密な測定は無理です。また精密そうな温度計でも最大0.5℃の誤差は認められています。

恒温水槽と温度計はしっかりしたものを選ばないと、試験の意味がありません。

自社校正の証明書付き温度計では表示温度が±0.1℃以下の範囲で収まりましたから、これで十分か…・・1本8,000~9,000円程度です。ドサクサにまぎれて買ったJCSSの証明書付き温度計は……80,000円以上しました……
ちなみに、常温の水槽の中でしばらく放置しておくと
8万円の温度計→→→→→→→25.82℃
8千円の温度計→→→→→→→25.80℃
1/10目盛りの普通の温度計→26.20℃
でした・・・・・




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。