小売業の品管
昔あったこと、いまやってること、その他どうでもいいようなことを・・・・・

カレンダー

07 | 2017/03 | 08
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -



プロフィール

kumamusiです。 某小売業で、品質管理をやってます。 コメント、リンク歓迎です。

kumamusi

Author:kumamusi



最近の記事



カテゴリー



リンク



最近のコメント



月別アーカイブ



FC2カウンター



最近のトラックバック



メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


大腸菌群 擬陽性・偽陽性

乳等省令や、食品・添加物等の規格基準で大腸菌群の基準があるものは、試験法、検液の濃度・量は異なるものの、その基準は通常“陰性”です。こんな食品ばかりだったら試験検査も楽なんですが、そんなものばかりではない・・・・・
基準のない食品が多いので、そんなものをどうするかってのもあります。
とある大手量販では、加熱せず食べる食品は自主基準で“大腸菌群陰性”としていて、この基準を守れなければ、他の商品に差し替えられるとメーカーさんが泣いてました・・・・しかし、やればできるんだ・・当社でそんな基準で運用すると、取引先が激減してしまう・・・
試験検査で合否や改善の必要性の判断には、より合理的な管理基準が必要となってきます。そこで参考にさせてもらったのが自治体の指導基準です。
自治体によっては基準のない食品群に対して独自に指導基準を持っているところがあります。結構充実しているのが東京都で(小国並みの人口なので、充実してて当然か・・・・)ここの指導基準を結構参考にさせていただきました。また首都圏に近い当方では、メーカーさんに対し「東京都の指導基準」ということで、合意も得やすい・・・・その他、指導基準に関わらず、製造工程から考えて、出てくるはずの無いものから出てきた場合などは、即、注意喚起の対象になります。

で、実際の大腸菌群の試験法は、「食品、添加物等の規格基準」に従いますが・・・・
調整した検液をシャーレに1mlずつ採り、それに「43℃から45℃までの温度に保持させたデソキシコレート寒天培養基を~」・・・・って、できるわけねーじゃん。そこまで温度を下げると、間違いなく凝固してしまう・・・昔、培地にオゴノリ寒天より低温で凝固するテングサ寒天を使用している外国の手順をそのまま和訳したため、実際にはその通りに出来ない内容になってしまったと聞きましたが、昔はともかく、今はBAMでも48℃で保持するようになっています。
20±2時間培養し「暗赤色の集落を認めたものは推定試験陽性とし、」とありますが、Desoで生えてくる菌は、多少なりとも糖を分解するので、若干でも赤みは帯びるとの事。また、炭水化物の含まれた食品の試験であれば、それを利用できる菌だと、コロニーは赤くなります。大きさも発色もまちまちで、なかなか悩ましい。毎回、特定の食品のみを試験検査しているのならともかくDeso上の見た目で大腸菌群と判断は難しい。
「推定試験が陽性の場合は、当該集落の代表的なものをE・M・B・培養基に塗抹し・・・・」って、どれが「代表的」な物だい???で、拾うのは1個でいいの??と悩む・・・
以前、同業他社で、Desoで混釈するのと同じ量の検液をBGLBに入れて、これでガスが吹いたら大腸菌群陽性とし、Desoの赤色コロニーをそのまま大腸菌群数とするとしていたところがありました。まあ、これはこれで一つのやり方かもしれません。基準が「陰性であること」であれば、十分使えるかも・・・・
東京都の指導基準にあるように、グラムあたり何個以下というように定量が必要な場合、更に悩ましいようです。こんな時には諦めて、生えてきた物を全部拾う・・・・って、余裕のあるところは、これが最も確実な方法でしょうが、普通のところでは無理・・・
そんなわけで、当方では以前にも書いたように、BAM方式で大腸菌群としてカウントしたコロニーから1シャーレあたりランダムに10個拾いBGLBに植え、その陽性率で大腸菌群数を求めています。まあ、Deso上で独立したコロニーを拾うので、純培養に近い状態と考えられますし、静菌状態の菌がいても、BGLBには胆汁が入っているし・・・・しかし、ランダムに拾おうと思っても、ついつい大きいのをつついてしまうのが人情・・
ただし、新人さんは配属後、数ヶ月は(長い人で3ヶ月程度)Deso→EMB→LB・IMViC、それで判らない時は簡易キットと進めてもらい、原理と手順に習熟してもらうようにしています(3ヶ月を過ぎるようだと、別の職種に・・・・)ここまで習熟すると、EMB上の典型的コロニーが理解してもらえるようです。通常、最後まで苦しむのが、クエン酸塩培地の誤陽性です。


BGLBやLBを用いる牛乳や魚練、食肉製品などでも、検液を入れたものが泡を噴いたからといって、大腸菌群陽性とは限りません。やはり、食品成分が分解されていろんなガスを発生したり、場合によってはある菌が乳糖から蟻酸を産生し、別の菌がその蟻酸を分解し炭酸ガスを発生させるといったこともあるようです。しかし、そんな時はガスの発生に元気がありません。大体、偽陽性です。ダラム管に、どれくらいガスが溜まったか記録している検査室もありましたが・・・・
ともかく、これはおとなしくEMBに画線。「定型的大腸菌群集落または2以上の非定型的集落を釣菌」しBGLBに植え、ガスの発生を見ます。

スポンサーサイト

大腸菌群の規格基準

大腸菌群は、グラム陰性無芽胞桿菌で、乳糖を分解し酸とガスを産生し、この菌が検出されると、糞便などの汚染等不潔な扱いを受け、食中毒を発生させる可能性があるとの評価をされます。
同じ性状で、ヒトや動物などと関係ないものもあるので別の評価をしようとの声もありますが、なにしろ酸とガスを発生し、余計な代謝物でクレームを発生させてくれますし、ほとんどの場合、不適切な製造・保存が要因となっていますので、当面は今の評価基準でいいかなと考えています。
早くから、大腸菌群や一般生菌数の規格基準が決まっている食品がありますが、その時代に試験・検査をやっていた人の話を聞くと、どうもGHQ(General Headquarters)の影響らしい。
当時、「天皇の報復」と言われていた赤痢に苦しんでいた進駐軍は、一般生菌数を食中毒菌、大腸菌群を赤痢菌に見立て、それぞれの発症菌量を元に規格基準を決めさせたとの事。
このとき、大腸菌群の定量にバイオレットレッド胆汁寒天培地(Violet Red Bile Agar)ではなく、Desoを使うと決めたのは、当時新進気鋭の細菌学者で、直接聞いた人によると「Desoの方がいいかと思った・・・」

昔、大腸菌群の検査マニュアルで、たまに見かけた「Desoでの大腸菌群のコロニーは、直径1mm以上の深紅色」と記載されているのは、VRBAでの判定をそのまま日本語に訳したものらしく、実際VRBAを使用してみると、余計な菌が抑えられ、大腸菌群は大きく育ってくれます。Desoではピンポイントコロニーでも大腸菌群の事があるので気が抜けない・・・規格基準がなく、Desoで訳のわからない菌がうっちゃり生えてきて試験の妨げになる商品は、VRBEを使うこともあります。

ちなみに、異様に厳しい魚肉練り製品の大腸菌群の基準は、宮城県を中心として発生したさつま揚げでの大規模なサルモネラ中毒が由来との事です。

酵素基質培地

食中毒菌用には、便利に使用させてもらっています。
しかし、大腸菌・大腸菌群に使用するとなると、小売の立場では悩ましい。
元々、陽性と判断する仕組みが公定法と異なるので、試験結果が異なるのは当たり前です。
規格基準で大腸菌群が決まっていれば、メーカーの検査と整合性を取るために公定法が基本となります。違う物差しで計るわけにも行かない…・魚練り業界のように、酵素基質培地が業界標準になりつつあれば、それはそれなんですが…・
以前、取引の業者会に出たとき、まず水産部門で複数のメーカーに取り囲まれ「とある量販の検査室では、当社の商品が大腸菌群陽性になって改善の報告書を書かされる。しかし、他の量販の検査や公定機関の検査では問題になったことがない。先方の品管に説明しても、“うちは最新の検査法でやってる”と聞いてもらえない。どうすればいいんですか?」…!確か、あそこは酵素基質法だ……・日配部門でも同様で「被害者の会を作りましょう!」などといきまいてるメーカーさんも…・・
自主検査で、公定法に基づかない試験法で商品を評価するときには、その試験の原理と評価法についてメーカー、特に話のわかる品管との合意を取っておくことは必要でしょう。でないと、小売の横暴と思われてしまうし、それなりの信頼関係がないと(いいかげんな事をやってると思われると)改善が困難になります。メーカーさんもしたたかで、信用してない小売に対しては、面従腹背です。

貝、イカ・タコなどはそれ自身に含まれる酵素で変な出かたをする様ですし、発酵乳でたちまち青色に発色したり、生のマグロで大腸菌群が大腸菌偽陽性になったり、ピンポイントコロニーで培地そのものが発色したりと、食品によってはおかしな状態になるので、実際に使用するときには検討が必要でしょう。当方のように、ありとあらゆる食品を試験するところは、大腸菌・大腸菌群用酵素基質培地の使用は現状難しいと思われます。しかし、試験するものが限られている製造工場では有効でしょう。
とはいえ、酵素基質培地を使用した大腸菌・大腸菌群の試験は便利なので、調査研究・クレーム品の検査に利用させていただいてます……


大腸菌群

試験項目の基礎の基礎です。しかし、迷いなく行うにはなかなか悩ましい。定量する場合、公定法ではDesoですが、これを使っているのは日本と日本が指導しているタイだけとの事。
Deso→EMB→LB・グラム染色の順番で、Desoから幾つコロニーを拾うかにもよりますが、数が増えるとやりきれません(でも、昔はやっていた…・)
以前は、Desoから直接LBに植えていました。遥か昔、行政に関わる方から教わったもので、Desoからもう1つ確認試験を入れることで、試験の信頼性が高まるとのことからです。確かに、当時の公的機関・行政以外のメーカー・小売業の自主検査は、Desoで終わりにしているところがほとんどでした。菌数は、1シャーレに10コロニー以下なら全部、10以上だったら10個拾い陽性率を乗じて大腸菌群数としています。
その後、BAMに記載されている、寒天培地からBGLBに植え替える手順に変更しました。FDAの試験法であれば、取引先との合意も得やすいだろうし、LBは選択剤が入ってない分、一抹の不安が残る…平板から10個拾いBGLBに植え、ガスが陽性で、菌膜(pellicle)が観察できたらグラム陽性桿菌でないか確認せよとあります。
食品衛生法の中にも、食品、添加物の規格基準Cの1には、BGLBでの確認試験でいいとの記載があります。ただ、この場合も、培地が褐変した場合は、平板に植えて確認が必要との事。
今はGLPで無理でしょうが、行政機関を定年退職した人の話によると、DesoからBGLBという方法は、お役所関係でもやっているところがあったようです…・




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。