小売業の品管
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kumamusiです。 某小売業で、品質管理をやってます。 コメント、リンク歓迎です。

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夏の風物詩

いや~~・・・・
関東地方では相変わらず殺人的な暑さでありました。
この暑さの為か、今年は豆腐が腐敗してしまうクレームがいつもより多い・・・・腐っている、ヌルヌルする、水が濁っている、溶けている、酸っぱい味がするなど。昔は豆腐の腐敗は腸内細菌やバチルスが主要菌叢でしたが、凝固剤がグルコノデルタラクトンから“にがり”主流になる頃から乳酸菌が主要菌叢となってきました。考えてみれば、にがりの成分は乳酸菌のグロスファクターだわな・・・・『海水から取れた天然にがり100%の乳酸菌用培地!豊かなミネラルで乳酸菌を逞しく育てます』・・・・などと・・・・・

で、「豆腐のパックを開封したら、泡が出てきて酸っぱい臭いがする」とのクレームがありました。泡を吹いたとの内容は初めてです。臭ってみると・・・・いつもの酸敗臭ではなくモロに酢酸臭でした。
『見たところ、これは酢豆腐というものだな』 『さすが若旦那よくご存知で』・・・・・・

酢酸菌だと厄介だなと思いつつ(同定に必要な物が揃ってないよ・・・・)検査すると無事乳酸菌でした。せっかくだから、以前記載した方法でホモかヘテロかを見てやると、しっかりヘテロでガスを発生してくれました。
乳酸菌のガス

28℃で48時間培養。元気よくガスを発生してくれています。

まだドグシェルターが珍しかった時代、夏場入荷バースで30分ほど放置され、ヌルくなった豆腐は冷蔵庫に収められた後、10℃以下になるのに4時間程度かかるなんて事を経験したことがあります。当然その当時は、豆腐の腐敗が夏の風物詩でした。豆腐のクレームの増加で夏の訪れを知る・・・・・

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コメントへの御返事 またまた乳酸菌

karin様 始めまして。コメントありがとうございます。
ご質問の件、サクサクとまとめられると思ったら、結構長文になってしまった・・・・

通常、麹を使って発酵させるものにはBacillusが結構いるので、酵母ではなくこれかなと思い、1992年に出版された「食品保存便覧:クリエイティブジャパン」を見てみると、いずしを10℃以下で熟成させた場合は乳酸球菌、Bacillus、酵母が同じくらいの割合で検出され、10℃以上では酵母がいなくなり、乳酸球菌とBacillusだけになってしまうとの事。この場合の乳酸菌はLeuconostoc、Streptcoccus、Pediococcusなどで、Lactobacillusは見られなかったそうです。
酵母とBacillusが乳酸菌と同じ数だけいれば、BCPで仕込むと見事な紫色に発色することでしょう ^_^;

このような食品から乳酸菌を定量しなければならなくなったら・・・・酵母と乳酸菌で包材が膨張してしまった食品の検査と同じということで・・・・うまくいくかは保証の限りではありませんが・・・・・
培地はBCP加プレートカウント寒天はお勧めできません。この培地は、発酵乳用に飼いならされた乳酸菌の定量に使用するものですから、それ以外の乳酸菌に使用すると生えてこなかったり、生え方が弱かったりします。よって、すでに記載してある培地を使用し、嫌気培養を行います。嫌気状態では酵母は生えません。Bacillusは嫌気状態で生えてくるものがありますが、通常好気培養より発育は遅くなります。また、カウントするときのことを考えて、混釈ではなく、表面塗抹で行います。

脱気包装した商品でも酵母による膨張は珍しくなく、結構微量の酸素でも発育するようなので、好気性の菌を抑制するために嫌気で使用する培地は、下記のサイトを参考にさせてもらい保管しています。

動物衛生研究所九州支所
http://niah.naro.affrc.go.jp/sat/joseki/Anaerobes/Anaerobe.htm

培地は作成した後や冷蔵庫から出した後、ふ卵器の中で倒置し、蓋をずらせて乾燥させ使用します。
当方では混合ガスでジャーの気体の置換が出来ないので、BBLのGasPackを使用しています(ジャーが足りなくなると、三菱ガス化学のアネロパック、ただ生えればいい時には使い捨てカイロ)

検液を段階希釈しながら平板1枚に0.1mlずつ塗抹。シャーレは倒置せずガス発生袋とジャーに入れ、それを28℃(特に根拠はないが、当方ではなぜだか昔から28℃)48時間培養します。平板に生えてきたコロニーは慣れてくると見分けがつきますが、最低カタラーゼは見てやります(エーゼでつついて、過酸化水素に漬ける)

多分、これで乳酸菌の定量は出来ると思いますが、更に妨害菌が多い場合は、いずしと同じ程度に培地のpHを下げたり、培地にシクロヘキシミドとアジ化ナトリウムを添加してみるなどしてください。


ちなみに、自家調整の培地の組成

GYP白亜寒天培地
グルコース :10g
酵母エキス :10g
ペプトン :5g
肉エキス :2g
酢酸ナトリウム3水和物 :2g
salts solution *1 :5ml
Tween80 solution *2 :10ml
CaCO3 *3 :5g
寒天 :12g
精製水 :1000ml
pH6.8
121℃15分滅菌
*1 1ml中に、
硫酸マグネシウム7水和物 40mg
硫酸マンガン4水和物 2mg
硫酸鉄7水和物 2mg
塩化ナトリウム 2mg
が含まれる
*2 50mg/ml の水溶液
*3 混釈培養するのでなければ、特に必要なし


Ⓛ培地
ブレインハートインフュージョン寒天培地1000mlに、以下のものを添加。
酵母エキス 5g
麦芽エキス 5g
L-シスチン塩酸塩 0.2g
Tween80 0.1ml

シスチンは溶けにくいので、加温溶解し十分に溶かし、121℃15分滅菌する。


更に乳酸菌

乳酸菌は、好気でも嫌気でも関係なく発育するという言葉に騙されて、何年ムダにしたことか…・通常、混釈培養するか、寒天培地の表面に画線した場合は微好気~嫌気的に培養しないと、48時間程度では、通常肉眼で確認できるコロニーには育ってくれません。

一般生菌数で基準を超える商品の場合、生えてきたコロニーを同定し(同定できなくても、確認培地・簡易キットなどでなるべく性状を調べて)製造工程の中から同じ菌を検出し、改善に繋げるといったやり方をすることがあります。しかし、昔は標準寒天培地に生えてくるピンポイントコロニーが乳酸菌だとの認識はありながら、同定できる菌量まで増やすことができませんでしたし、工程からの検出も無理でした。まあ、元々機械屋で、乳酸菌に対する知識も技術もありませんでしたから、しょうがないか…・その後、ミニテックの嫌気性菌用コードブックにLactobacillusを見つけ、好気的に培養するのは難があるらしいと悟りました。

しばらくしてから、同業他社の検査室に、大学で乳酸菌を教えていた現役の先生が招かれ、なぜだかその先生に鍛えられ、乳酸菌が結構自由に生やせるようになりました。その先生が言うには「微生物による食品クレームの7割は乳酸菌が原因…・・」その時、教科書として使用したのが“「乳酸菌実験マニュアル 分離から同定まで」 内村泰 岡田早苗/著 朝倉書店”で、既に絶版…・・だったのが、つい最近復刊されているようです。乳酸菌の奥深さが良く判る…・・食品衛生にはここまで必要ないと思います。っていうか、普通の食品相手の検査室じゃ無理だわ…・

当方ではビフィズス菌を除く、いわゆる典型的な乳酸菌の試験は
○ 規格基準のある発酵乳などは、BCP加プレートカウント寒天。公定法に従って試験を行う。乳酸菌以外は含まれてない前提で、そのままカウント。この培地にはグルコースが含まれており、この培地に生える菌であれば、多少なりとも酸を産生しコロニー・コロニー周辺が黄変する事がある。よって不安な場合は、最低カタラーゼは見てやる事は必要か? ただし、グルコースの量は少ないので、乳酸菌以外に旺盛に繁殖する菌は、培地をアルカリ化しコロニー・コロニー周辺を強い紫色にする。培地表面に好気的に生えて来るのは通常乳酸菌ではない。また、極めて表面に近い培地内で生育する乳酸菌のコロニーは、毛根状に発育することがある。
○ 食品衛生で問題になる乳酸菌は、特に指定もないので、BCP加プレートカウント寒天ではなく、更に発育支持に優れた培地を使用する。ブイヨン・混釈培養の場合は好気的に培養。平板に塗抹・画線した場合は嫌気的に培養。培養温度は25~30℃程度。培地に生えてくるコロニーは、平板上のものだと慣れてくればなんとなく判るが、混釈した場合などは特徴がないので、人によっては培地に炭酸カルシウムや、BCPを添加し、酸の産生を観察している。妨害菌が多い時は、アジ化ナトリウム・シクロヘキシミドを10ppmに添加する。生えてきたらグラム染色、カタラーゼ。必要があればホモ・ヘテロを見てやる。更にBBLクリスタルや、アピを使用することもある。

当方で発酵乳以外に乳酸菌を試験するのは、クレーム品として上がってきた商品、一般生菌数が基準を超えてしまった商品の菌叢確認、そして保存中に乳酸菌で生菌数が基準を超える加熱食肉製品【通知“食品衛生法施行規則及び食品、添加物等の規格基準の一部改正について(平成五年三月一七日)(衛乳第五四号) ”食肉製品の製造及び加工における衛生管理のための微生物指導基準 参照】の調査改善で、この3つの試験がほとんどです。
クレーム品は菌数が十分なので、段階希釈しながら平板に塗抹。標準寒天培地の菌は、釣菌し、そのまま平板に画線。加熱食肉製品は、現場で拭き取りしたもの、工程毎に商品をサンプリングしたものを検体とし、通常これは微量汚染ですから、一旦ブイヨンで増菌し、白濁したものは検鏡・グラム染色、平板に画線。品質管理がしっかりしてる(ように見える??)製造メーカーさんとは、脱気包装した加熱食肉製品の中に1個でも乳酸菌がいれば、保存中に爆発的に増殖するとの認識で一致できるところは多い…・・
これらの平板は嫌気培養しますが、普段は春先にホームセンターで安売りされる使い捨てカイロを1年分買っておいて、これを嫌気ジャーに入れて培養。カイロが暖かくなるうちは、何度か使えます。嫌気ジャーも数に限りがあるので、足りなくなるとポリ袋と密閉クリップを使用します。多い時は、シャーレが100枚以上になるか…・・
48時間培養して、生えてきたコロニーはカタラーゼとグラム染色。平板に生えてきた乳酸菌は、大体見分けがつきますし、1種類の菌が主要菌種になっています。何種類も生えているとなれば、単に「腐ってる…・」一個一個拾って確認しますが、染色・検鏡に飽きてくると、図のように先を潰したエーゼでコロニーを取り、エタノールに漬けて脱脂しておいたスライドグラスに濃く塗りつけ、そのままエーゼをビーカーに入った過酸化水素に漬けてカタラーゼ。エーゼは何本か用意しています。


エーゼ


スライドグラスは自然乾燥後エタノール固定し、前染色。その後脱色液に漬けて、目視で青色が残っていればグラム陽性と判断しています。

と、まあ、以上が当方のやり方でありました。


再び乳酸菌

その昔、「食品の乳酸菌の実態調査をする!!(有用乳酸菌ではなく、微生物災害を起こす乳酸菌)」と言った同業他社の担当者がいましたが、数ヶ月でくじけてしまった…・・乳酸菌が結構気まぐれで、決定的な選択培地がなかったり、使う培地、培養温度で生えなかったり、グラム染色等が必要など結構熟練が必要だからでしょうか…・
有用乳酸菌であれば、金にもなるので研究も進んでるようですが、食品にクレームをおこすような乳酸菌は“その他大勢”の扱いで、試験・検査も手探りの部分があります。

以前、ペットボトルの醤油が破裂するといったクレームが多発した事がありました。未開封の醤油の栓がいきなり飛んで天井まで醤油だらけになったとか、旅行から帰ってきたら、台所が醤油の海になっていたとか…・・醤油製造ラインの加熱後の配管が、丁度、JIS B9650-2付属書3の⑤のようになっており、それまで洗浄時にドレンを開けてデッドスペースまで殺菌していたものが、担当者の移動で、それが行われなくなったのが原因でした。
ガスを発生させたのは乳酸菌です。このとき初めて、醤油の加熱殺菌は風味を殺さないよう比較的低温で行われる事、静菌作用のあるエタノールを添加し生き残った乳酸菌の生育を抑える事、乳酸菌が一定数以上になるとエタノールが効かなくなる事、そしてその乳酸菌の定量には町の培地(当時の記憶がかすれている…・・多分この呼び方でよかったはず…・“もろみ”からエキスを抽出し、添加した培地)のような、その業界にしか無いような培地を使用する事を知りました…・・発酵業界は奥が深い…・


ホモとヘテロ

商品の包材の膨張なんて、珍しいことではありません。酵母はいつもの加熱不良ですが、乳酸菌は悩ましい。特に、加熱後包装食肉製品だと対応を誤ると…・・厄介な事態を引き起こすのは、ほとんどが乳酸菌の仕業です。
ホモ発酵だと、7~8乗いっても別にどうって事ありませんが、ヘテロ発酵だと、ハムが黄色になったりピンクになったり、ガスで膨張したりなどなど…・・
ちなみに、当方ではグラム陽性で形状が合致し、カタラーゼ陰性、嫌気で生えてくる菌を乳酸菌と呼んでいます。

乳酸菌用培地
○ブイヨン
・ APTブイヨン
BBLが生産中止で、今はDIFCOから出ています。値段が高いのと、国内在庫がなくなることがあったので使わないままです。現在は国内在庫が常備されているようです。All Purposes というだけあって、乳酸菌以外にグラム陰性菌までも生えてきます。同業他社はほとんどこれです。
・ MRSブイヨン
こちらのほうがより一般的です。粉末培地があり、調整する手間が要らないので、現場で使っています。
・ GYP…・
自家調整します。GYP白亜寒天培地から、寒天と炭酸カルシウムを抜いたものです。Tween80を含めた無機塩類などを溶かしたものを作っておいて、滅菌前に添加するようにしています。大量に使用するときは、これを使用しています。
・ マルエル
これも自家調整。マルエル培地から寒天を抜いたものです。当方ではこれがメインです。
○寒天培地
上記のブイヨンに寒天を加えたものです。混釈培養するときは、GYP に限らず炭酸カルシウムを添加することがあります。表面塗抹するときには嫌気培養します。

場合によって、選択剤として上記の培地にアジ化ナトリウム、シクロヘキシミドを10ppmになるように添加しています。また、うまく生えてくれないときには、食品の抽出液をグロスファクターとして加えてやります。

乳酸菌用培地ではBCP加プレートカウント寒天培地が知られていますが、本来、発酵乳が規格基準に合致しているか測定するためのもので、クレームを起こす乳酸菌では生えてくれないものもあり、目的以外に使用することはありません。

乳酸菌で“おっとっと!!”となる商品は、必要があればやブイヨンで増菌。ブイヨンが白濁したらグラム染色。マルエルの平板に画線して嫌気培養。一般生菌数の試験で標準寒天培地に生えてきたものはグラム染色、カタラーゼ、純培養。検液をGYP やMRSでそのまま混釈培養することもあります。その後必要があればホモ・ヘテロを見ます。半流動培地に植え、パラフィンを重層してガスを観察するのが本来のやり方のようですが、ペトリフィルムACで代用しています。詳しくは、米国3M

ペトリフィルム AC

以上のサイトの「Petrifilm Lactic Acid Aerobic Count Plate Interp Guide - Instructions for Use 」をご覧ください。
ペトリフィルムACにMRSブイヨンを1ml滴下してスプレッダーで広げてやり1時間静置。その後、フィルムをめくって、菌を植えてやります。1枚で10個くらいは植えられます。これを嫌気培養。丈夫なポリ袋に使い捨てカイロと一緒に入れてやり、封をしてやればこれで十分。30℃程度で2日も培養すれば、ヘテロ発酵だと、コロニーにガスが発生しているのがわかります。ついでに、MRSブイヨンは、1mlずつネジ口試験管に分注し、滅菌後冷蔵保存しています。




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